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三輪×片山シリーズ
STORY > 青の贈り物 >

 やばい、俺、今まじで顔真っ赤だ、きっと。
 恥ずかしすぎるっ。

 と、突然三輪が俺の腕を引いて来た。
 咄嗟に対応が出来ず、持っていたプレゼントから手が離れ、辿りついた場所は三輪の腕の中。

「ちょ、三輪っ」
「片山さん、可愛すぎです」

 ぎゅっと抱きしめられて、瞬時に上昇した体温の熱さで赤かった顔が更に赤くなるのを感じる。

 しかし、ここは、家の前。
 誰に見られるとも限らない場所で、男同士抱き合うってのは戴けない。

 俺は抵抗の意を込めて、顔を上げ三輪を睨み上げた。

「離せっ……んっ」

 顔を上げた事をこれほど後悔した事はない。

 ……いや、いつも、後悔してるのかもしれない……。
 な、情けなっ。俺。

 そう、俺が顔を上げたと同時に、三輪はキスを仕掛けてきた。
 それも、いきなり濃厚なのを……。

「んっ……は、な…っんんっ…」

 キスの合間の息継ぎのタイミングで止めさそうとする言葉も、三輪を押しのけようとする手も、そして、ここが家の前だと認識する脳も、三輪の繰り出すキスによって、ことごとく消されていく。

 気づけば、三輪の頭の後ろに手を回し、自分から誘うように、舌を絡ませていた。

「ふっ……んっ……はぁっ…」

 やば、気持ちいい……。

 三輪の舌が離れていきそうになると、頭に回した手にぐっと力を入れそれを阻止する。
 そして、三輪の口内に侵入して舌先を絡ませた。

 身長差から三輪の唾液が舌を伝い、俺の中に入ってくると、俺は喉を鳴らしそれを飲み込む。
 満足したように、三輪が笑うのを感じて自然に閉じていた目を開けると、欲情した三輪の瞳に見つめられていた。

 カッと上昇する熱。
 完全に、飛び掛けた理性──。

「はぁっ…み、わっ…んん…」 

 三輪の頭に回していた手を三輪の頬に下ろし撫でた。
 その手の項に三輪の指が這う。
 
 そこからゾクゾクした快感が生み出されて……。

「あ…はぁっ…」

カシャン

 俺が吐息を吐くと同時に手首に冷たい感覚と金属音を俺の脳が感知した。

「え?」

 ハッと理性が戻ってくる俺。
 唇は離れたものの、未だ片手は俺の腰、の三輪。

 そして、三輪のもう片方の手は、俺の手首に繋がった玩具(だろう)の手錠──。

 え?手錠?

「は?何、これ……」
「拘束具です」

 そう言って、俺の頬にキスをする三輪に、静かに燃え上がる俺の怒り……。

「三輪。外せ」

 んとに、何考えてんだか、この変態は。

 俺は、ずいっと手錠を掛けられた手を三輪の目前へと上げる。

「鍵、家なんですよね。それ」

 三輪は、平然とそう言うと、俺の腰から手を離し、落ちたプレゼントを拾った。
 俺と言えば、言われた言葉に唖然として、すぐに、口を開けずにいた。

「これ、ありがとうございます。俺の為に考えて選んでくれたんでしょ?嬉しいです。一生大事にしますね」

 綺麗な笑顔でそう言われて、俺の心臓がドキリと波打つ。

 反則だ。三輪。
 そんな顔されたら、なんでも許しちまいそう……。

 この手首の手錠も……って、そんな訳あるかっ!

「んなこと、どうでもいいっ。これ、なんとかしろーーーーっ!」
「まあまあ、そんな、怒んないで下さい。とりあえず、一緒に家まで行きましょう」
「なっ!」

 俺が反論しようと、口を開く前に、三輪は俺を抱き上げ、自分のバイクの後部へと座らせた。

 軽くショック。
 なんで、毎回毎回、こいつは、こんな軽々俺を抱き上げれんだ?
 
 その表情に何か気が付いたのか、三輪は「片山さん、軽いですから」と言った。

 ちくしょーー、それ、フォローになってねぇ!
 どうせ、筋肉もあんまつかねーし、食っても太らねーし、背も低いさっ。

 そんな悪態を付きながら、睨んでいると、三輪はハンドルに掛けてあったメットを俺の頭に被せた。

「片山さんからのプレゼントは受け取りました。三輪サンタからのプレゼントは、俺ですから、楽しみにしてて下さい」

 そう言ってシートに座ると、俺の手を無理矢理自分の前に持って行き、手錠のされていなかった方の手首に、もう片方の手錠を掛けた。

 な、な、何ぃ〜〜〜っ!

 て、手錠!下りる時どうすんだ、これ?
 てか、プレゼント?が、三輪?
 
 そんな、ベタな……。

 そして、不安100%の俺を乗せて、三輪サンタのバイクは朝の住宅街を走り去った。

 にやにや笑って、兄皓貴が覗き見していた事に気づかぬまま……。
 覗くなっ。馬鹿兄貴。死ねっ。



一応 Fin

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