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三輪×片山シリーズ
STORY > 凪 >
エピローグ


 その後落ち着きを取り戻した俺達は多少の気恥ずかしさと、それよりも大きな幸福感に浸っていた。

 もっとこのままで。

 その思いは三輪の告白によって遮られる事になる。

 ベッドで俺を抱きしめながら、ポツポツと言葉を紡いだ三輪の話で、益子さんの策略と三輪の苦労を知った。

 そんな約束守る必要なんてなかっただろ。と、怒ったのは言うまでもないが、それよりも気になったのは俺を助ける為に三輪が親の力を使ったという事だ。

「……あの電話の後、晴貴がマンションに来なかったんで、嫌な予感がして静にあいつが使いそうな場所を数件割り出させて、あいつが予約したホテルを見つけたんです……。けど、さすがに部屋は解らなかったから、くそ親父に渡りを付けて貰って使われてる部屋にかたっぱしから電話してやっと益子に繋がった……と言う訳で……」

 最近知った三輪の父親は日本でも屈指のホテル王と呼ばれる人で、日本全国に旅館、ホテルなど数十件を所有するグループ企業のトップだった。

 そしてその父親は兄を差し置いて三輪を跡継ぎにと望んでいるのだ……。

「なあ、三輪。お前俺なんかで本当にいいのか?」

 そうと知った時に散々三輪と話し合ったそれをもう一度蒸し返す。
 肩に回った三輪の手に力が入るのを感じた。

「何度も言ってますけど、俺は晴貴しか居ない」
「そうか……なら、俺はもう何も言わない」

 蒸し返してもどうしようもないそれを、三輪の決意が確かなら俺はそれを信じるだけだ。

 以前の話し合いでも三輪は俺を取ると言ってくれた。
 俺だって、なくてはならない存在になった三輪をそう易々と手放せる筈がない。

「……ほんと、我が儘だけどな…」
「え?なんですか?」

 つい漏れ出てしまった小さな自嘲の言葉を三輪に聞き返されたが、なんでもないと返した。
 素直に話すと決めたけど、こんな事は聞かせたくはない。

 少し不満げな三輪が問いつめてきそうな雰囲気だったから、俺は自らの口付けでそれを封じた。

「み、……晃己」

 離れていかないでくれよ……。そんな思いで三輪を見つめれば、優しげな口付けが返って来る。
 それは「絶対離さない」と言われているようで、嬉しかった。
 
 でも、そんな三輪の気持ちを受け取りながら、それでも消えない一抹の不安を俺は拭いきれなかった。

 今回俺の所為で三輪の父親に借りを作った事で、この先何かあるような気がして、それは俺の心に一点の染みを作っていた。

 このままずっと二人で居たい。


 この世に本当に神が居るなら、祈らせて下さい。


 三輪と……晃己と共に在る人生を、と。

 男同士という不毛な関係だけど、
 一緒に人生を歩むというのは俺達の我が儘だけど、

 だけど、その我が儘を許して下さい。


 お願いだから俺から晃己を切り離さないで。



 そんな祈りを、
 初めて神という存在に縋った、春。



 
END







三輪、片山受難編後編です。
片山視点でお送りしました。
いつもよりマジでシリアス!そして最後は甘甘へ。とりあえず一段落ついた三輪×片山シリーズです。
このあと、真の試練が二人を待っておりますが、それまでは甘ーい蜜月を過ごして行く事でしょう(笑

ご意見・ご感想などいただけると、泣きます(笑
その上更新頻度があがります…たぶn\(`o'") こら-っ
ただ、批判に少々気弱になりますので、その際には、オブラートにお包み下さい(^-^;
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