<< BACK
短編
STORY > 横恋慕 >
7.一度だけでいいから、

鬼畜兄貴なんで、追いかけてこないんだろ?

っていうか、俺、人の恋路じゃました???

いや、しかし、だって、俺にも、我慢の限界ってもんが・・・

「陸」

「・・・」

怒ってんのかな・・?
怒ってるな。


由之の普段聞いた事のない声にびびって、俺は由之の前で固まった。

ちくしょーー、なんで、この部屋一部屋しかねぇーんだよ。
気まずくなったって、逃げる場所がねぇ!

・・・
あ、便所があった!!

そう思いあたった俺が、便所へ逃げ込もうとした時、由之の鋭い声が飛んだ。

「したくもないのにトイレに行くつもり?」

もう、やだ、こいつのこういう鋭い所。

しょうがなく、物があまりない俺の部屋で唯一どでかい存在感をかもしだしているコタツの前で
これまたすんごい存在感、いや、重圧感をかもしだしている由之の前に座った。

「あれ、どういうことなんだ?」

「う、いや、その・・お前がさ、、泣いてたし、殴れてっから・・俺我慢できなくて」

「それで、俺達の話を中断させたんだ、陸は。」

「すまねぇ」

「・・・」

由之は今まで見たことのない冷たい表情で、俺を見た。

なんだよ、俺をそんな冷たい顔で見んなっ。
第一、俺はそんな悪いことしたか?
俺がお前を好きなのは知ってるじゃねーか。俺がこんな性格だってのも知ってるだろ!

あんな場所であんな状況を作った、お前も悪い。

あーーー。なんか腹立ってきた。

俺がこんなにお前を思ってやってんのに、お前はまだあの鬼畜兄貴がいいのかよ。

そこに考えが至って、俺の強靭な精神力(ねぇけど)で抑えてつけていた理性が飛んだのに気がついたのは、由之を組み敷いてその柔らかげな唇に食らいついた後だった。

なさけねぇ、俺。
でも、もう、後には引けねぇ、こーなったら、最初で最後でもいいさ。


niconico.php
ADMIN