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短編
STORY > 横恋慕 >
8.そんなにあいつがいいのか


「んーーーーんっ」

「!・・・っ」

カリッと由之が重ねた俺の下唇を噛んだ。

「い、痛ってーー!何すんだよっ」

「何すんだじゃない。お前こそ何してるんだよ」

俺の下で、由之がどなる。
その唇に俺の血がついて、それが真紅の口紅みたいでひどくなまめかしく、俺は自分の身体の中心に熱が集まるのを感じた。
その上、その血を由之が舌で舐め取る姿を見せつけられ、なんだか、本気でもう押さえが利かない。
鬼畜兄貴がこいつをひどく扱う気持ちが少しわかった気がした。
ははっ・・俺も変態の仲間入りか?

「何って、ナニするんだよ」

「バカな事いうな!」

由之は俺をどけようと脚をバタつかせたり、腕を振り回したりした。
アウトドアな俺に、インドアな由之は勝てないのに、なおも抵抗する。だけど、今日の俺はもう止まらない。
うっとうしいので、そばのコタツのコードを引き抜くと由之の両手を縛り、コードの端をコタツの足にくくりつけた。

あぁ・・本気で俺変態になってきた。

それでもなお抵抗を諦めない由之。
縛られた手で俺を押しのけようと思いっきり手を上げてきたので、俺は身体を起してそれを避けた。
すると、コードに引っ張られた軽いコタツは、由之の頭にコツンと当たる。

どうやっても俺を押しのけられないし、コードも解けないと分かったらしい由之は懇願の目線を俺に投げつけた。

「陸!陸、やめろ、やめてくれ」

「ダメだ、やめねぇ」

「陸、いやだ、お前とこんな風にやりたくない」

その言葉で、また、俺はカッとしてしまった。
俺じゃダメだっていいたいんだろ?お前は兄貴しか見えてないからなっ。

「俺とはやりたくねーつーんだろ?分かってるさ」

「そういう意・・んっーーー!!」

これ以上、俺を否定する言葉を聞く気になれずに、由之の口を手で塞いだ。

「なぁ、すこし黙っててくれよ、よけいひどくしちまいそーだっ」

「む、、、んっ、、む、く・・」

それでもまだ何かいいそうだったから、近くにおいてあったハンドタオルを口に詰め込んだ。


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