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短編
STORY > 横恋慕 >
10.諦められるわけがない


どうにも、本音がわからなくて、知りたくて、俺は由之の口からタオルをとってやった。

「んっ・・・」

由之の涙と唾液で、タオルはぐっしょり濡れている。
とたんに罪悪感にさいなまれた。

「由之・・・」

「陸、手も外してくれよ、痛い」

「あぁ」

かなりなごり惜しいが、さっきの真意がしりたくて、その欲求に負け、俺は由之の手を開放する。

と、同時に俺は見た。
開放された由之の手がグーを形どり、そのまま俺の顎に向かってくるのを〜〜〜〜〜。

がごっ!!!

「痛−−−−−−って!!!」

だ、だまされたーーーーっ。いや、罠か???トラップか・・って同じじゃないかっ。
落ち着け俺。
しかし、由之のやつ、インドアなくせに力強えーよっ。くそっ。

殴られた顎を押さえて、でもまだ由之の上に乗っかっている俺に由之はにっこりと今まで見たことない笑顔を見せ言った。

「陸、俺の上からどけっ」

綺麗な顔のくせに、口わりーの。もう。

「嫌なこった!それより、教えてくれ、さっきお前が逝った後さぁ、なんで・・・・おわっ!!!」

さっきの真意を聞こうとする俺に、由之はあろうことか、俺の分身をきつく握り締めて、俺に最後まで言葉を言わせない。

「どかないと、握りつぶす」

穏やかな笑顔とセリフがあってねーってっ。

それでもどかない俺に本気で圧力をかけてきたので、あわてて由之の上から降りた。
なんだかな・・・。

インドア由之にいいように翻弄され、俺はむかついて由之を睨んだ。
自分のした事は空の彼方に忘れてーーーーーーー。

そして、由之のあらわになっている下半身とか、手首の擦り傷とか、シャツの間から見え隠れしている無数の痣だとかを目にして、空の彼方から俺のした事が俺の脳裏に振ってきた。

あーーーーーーーー。

冷静になったのか、混乱したのか、俺は真っ青になりながら、由之に謝った。

「よ、由之、悪い。ほんと、ごめん」

「・・気がついた?自分のした事にっ」

由之は身体を起こしながら睨見付けてきた。・・でもさっきみたいな冷たさは感じない。むしろ、なんだか暖かい?

「いや、なんつーか、お前の冷たい顔とか、俺じゃだめなんだーーーとか、なんか、いろんな事でおかしくなっちまったっていうか・・なんつーか」

俺がしどろもどろに、わけの分からない事を口走っていると、由之が俺に向き直って、俺の頬を手で包んだ。

「陸、俺、もう兄さんの所へは戻らない」

「え?」

「気がついたから」

「え??何に???」

「んーーー、そーだな、自分がバカだったって事とか、バカにはバカがいいんだとか」

はい?

今なんつーった???

「え、え、えぇぇえぇ〜〜〜〜〜〜〜っ」

「ま、それも、お前が俺を諦めてないならって思ってたんだけど、諦めてなかったみたいだしーーーな」

「諦めてねぇ!全然諦められ!!・・・」

そういい終わる前に俺の口は由之のやわらかい口に塞がれていた。

あぁ、神様!!諦めのわるいストーカーでよかったよ。俺。

「陸、俺このままここに居ていいか?」

軽い口づけの後、由之がそんな当たり前の事を言ってくるので俺は力いっぱい抱きしめて言ってやる。

「あったり前だろっ!!!っていうか、居てくれ!ぜひ、ずっと!!!」

「陸ーーー」

由之の顔は今までで一番綺麗な顔をしていて。
こんな笑顔が俺に向けられるなんて思ってもなかった。

なんて果報者なんだ!俺はっ!!!!


なのに、くっついた由之の身体からいい匂いがして、そんでもって、身体の感触がぁ〜〜〜〜。


「・・・んで、相談なんだけど、続きしない???」


俺がかなりな勢いで殴られたのは言うまでもない。




でもいい。果報者なんだから俺は!



Fin



お題配布:「創作者さんに50未満のお題

お題こなしました。これ、初めてかいた小説(とは呼ばないかもね…)です。イラストもちょっと前だからすこーし恥ずかしいですけど、結構お気に入りだったりします(-_-;)
今となってはきちんと小説として書き直してあげたいな〜〜なんて。

ご意見・ご感想などいただけると、泣きます(笑
その上更新頻度があがります…たぶn\(`o'") こら-っ
ただ、批判に少々気弱になりますので、その際には、オブラートにお包み下さい(^-^;
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